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2006/01/06 (Fri)

小笠原の旅記録(2日目)

 翌朝、6時ぐらいに目が覚めた。すっきりとした目覚めではない。起きて、外を見たが、朝日は望めなかった。

 起き掛けに、熱いコーヒーを飲み、パンをくわえる。気が付けば、あと数時間で小笠原に着くところまで船は来ていた。9時からは、船内見学ツアーに参加。操舵室やエンジンルームを乗組員の方から説明を受け見学した。船は、就航後10年も経っていない優れもので、もちろんほとんどがオートメーション化されている。でも、手書きの海図やアナログのコンパスがあり、デジタル化の現代でも、アナログの世界は消えていない。こうして、乗組員の方は4時間交代で船の安全を守る。見学ツアー後、到着の11時半までの時間を、再び本を読んだり、音楽を聴きながら過す。25時間半、長いようで案外短かった。




 やがて、久しぶりに島が見えてきた。小笠原諸島の無人島、聟島(ケータ島)だ。私は、この島に行くツアーに申し込んでいた。その後、父島が大きく見え始めた。小笠原でも、メインになるのがこの父島と南部の母島。おが丸は、やや遅れ、12時ごろ小笠原の父島二見港に着いた。



 下船したら、小笠原での宿泊先となるパパヤさんのスタッフの方が出迎えてくれた。さらに、同じパパヤさんに泊まる何人かの人と、車に乗り込み宿へ。程なくして、宿に着き、パパヤのご主人の田中さんから宿泊客の紹介とインフォメーションを受ける。私の泊まる部屋は、男性相部屋。インフォメーション後、この日一緒になった2人と共に部屋へ。部屋にはすでに、他の2人が年末から泊まっていたようで、軽く自己紹介をした。

 部屋に荷物を置きひと段落し、島をぶらぶらしようとパパヤさんで自転車を借りようとしていた時に、同じ部屋の米田さんから「この後、パパヤで南島に行くツアーに行かないか?」と誘われ、迷ったあげく参加した。これが、正解だった。ここでのツアーは、8日のケータ島ツアーをすでに申し込んでいたが、行く場所が違うことと運がいいとイルカと泳げるということで、飛び入り参加。ウエットスーツ、フィン、マスクのシュノーケリング3点セットを借り、港へ。参加者は私を含め5、6人。

 港から、パパヤ所有のクルーザー「ミス・パパヤ」に乗り込む。「ミス・パパヤ」は、なかなかしっかりとしたつくりのクルーザーで、もちろん釣り船のような古臭さはない。港を離れ、やや荒れた海に出た。しばらくして、穏やかな浜近くのブイに船を停泊させた。ここで、シュノーケリングの練習をする。「そういえば、シュノーケリングは初めてだった」と思いながら、ライフジャケットを着用し、難なく海に漂っていた。きれいな魚や珊瑚をしばらく見てから、船に上がった。

 南島を目指す途中、スタッフの方から「イルカを発見!」という船内アナウンス。なかなか、素人目では遠くからは発見できない。しばらくして、私もイルカの影を見つけた。「泳ぐ準備を!」というアナウンスで、急いで準備を整え、「GO!」の合図で海へ。何がなんだかよく分からないうちに、目の前にはイルカがいた。波の影響でイルカから離れて行ったが、かわいい「バンドウイルカ」だった。このとき、水中カメラをもて来るべきだったと後悔した。

 日が傾き始めたころ、船は南島に向かっていた。かなり波があり、船は揺れる。なんとも言えない雲に日は隠れている。南島が見えてきた。パンフレットでは、南島へは1月いっぱい規制で行けないと書いてあったので気になっていたが、泳いで島に上陸すると聞いてびっくり。南島のシンボル、扇池のちょっとした岩間から島に上陸した。荒れた波で、なかなか進まないし、岩にぶつかりそうになる。何とか上陸すると、きれいな浜辺と、浜辺に落ちている(?)無数の貝殻が出迎えた。ちなみに、貝殻は「ヒロペソカタマイマイ」で、1,000年から2,000年前に絶滅したと言われる化石で、持ち出し禁止の天然記念物だ。きれいな浜と「ヒロペソカタマイマイ」の化石、さらに扇池から覗く夕陽。しばらく、見惚れた。




 その後、ジョンビーチ、ジニービーチを眺め、サンセットクルージングで港に戻った。ツアーでは、クジラも見かけた。ただ、遠くでブロー(俗に言う潮吹き)を何度か目撃できたので、半日でいい経験ができた。

 宿に戻り、冷えた体をお風呂で温め、同じ部屋の米田さんと仲村さんで、まちの居酒屋で夕食を食べた。島の特産、ウミガメ料理(刺身、煮込み)と島魚を食べた。ウミガメは、初めて食べたが、まったく癖がなく(逆に味が薄い)、淡白。黙って出されたら、分からない。

 8時前に宿に再び戻り、他の宿の方6人と、お酒を呑み、盛り上がる。半分が私と同じくモニターキャンペーンで初めて小笠原に来た方で、もう半分がパパヤのリピーター(常連さん)。でも、関西、東北と内地(小笠原から見た本州など)で見ると、私より遠いところから来た方ばかりだ。

 こうして、小笠原での初日は、大満足の一日で終わった。

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