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第17回 世界遺産の自然を味わう <屋久島その2>

 おっちゃんの家で泊まった次の日の朝も、おっちゃんの料理をご馳走になっ た。よくわからないケーキに始まり、ご飯とのり、漬物、さば節など。
朝から腹いっぱい食べ、8時に出発した。
 この日は、屋久島を1周することにした。一湊のおっちゃんの家から時計と 反対周りで周ることにした。しかし、はじめから登りの道が続く。その上、厚 い。さすが南国。暑さが本州のとは、違っていた。
 だらだらとペダルをこぎ、永田のいなか浜に着いて一休みした。
このいなか浜は、ウミガメが産卵のため浜に来る数としては、日本一と言われ ている浜で、確かにきれいだ。浜の近くには家も少なく、ウミガメもさすがに 浜を選んで来るのだろう。しかし、ここ数年数が減ってきているようだ。
 永田のまちを過ぎ、途中、永田岬の灯台に寄った。灯台には残念ながら登れ なかったが、ここから海を眺めると、本当に地球が丸いことが分かった。
 永田から栗生までは、国定公園と世界文化遺産地域で、山道が続いた。
途中、ヤクザルとヤクヤクシカに遭った。道を走っていると、山の中からザワ ザワと音がするので、びっくりしたが、よく見るとヤクザルと分かり、うれし くなった。ヤクザルは、小さくニホンザルと区別がつかない感じがした。
 山道と暑さにちゅっと苦戦しながらも大川の滝に着いた。
大川の滝は、日本の滝百選の百番目の滝だけあって、スケールが大きかった。
80mぐらいの落差があり、滝つぼもグリーンに澄んでいた。
大川の滝からちょっと行ったところに、名水百選の水があったので、ペットボ トルに入れた。


   屋久島の海と山(鹿児島県上屋久町永田、1998年9月4日) 大川の滝(鹿児島県屋久町、1998年9月4日)

屋久島の海と山<左>と大川の滝<右>(永田付近、大川の滝)



 栗生からは山道も無くなり、走りやすくなった。昼ごろ、平内に着いた。地 図で見ると、海中温泉と言う文字が気になり、寄って見ることにした。
 行ってみると数人の先客がいたが、すでに温泉から出ていた。温泉を見ると 温泉のちょっと先が海というより、岩場の一部が温泉となっていているという もの。誰もいなくなったので、貸切状態で入ると結構熱く、そんな入っていら れなった。
 温泉から出た後は、尾之間で弁当を買いお昼をとった。尾之間を過ぎたとこ ろにも名水百選の水があった。千と千尋の神隠しの映画の名前由来となった、 千尋の滝にも行きたかったが、山を登らなければならなかったので諦め、名水 百選の水汲み場のベンチでしばらく休んだ。
 そうこうして、おっちゃんの家がある一湊に着いたのは、5時を過ぎていた。 結局、この日もおっちゃんの家に泊めてもらうことになった。夕食は、前日に 続いて豪華なものだった。鯛に始まり、カレー、牛肉、ラーメンなどお腹いっ ぱい食べた後、おっちゃんの会社の社長さんも加わり、お酒をご馳走になった。 この社長さんは、屋久島での生活のことなどいろいろ話してくれた。私のこと を終始「いいヤツだ。」と言ってくれたのが、印象的だった。

 次の日もおっちゃんの料理をいただき、朝ゆっくりしてから、出発した。
本当に、おっちゃんにはお世話になり、いい思い出ができた。最後は、おっち ゃんと写真を撮り、おっちゃんの家を出た。おっちゃんとは、前日、昼食を奢 ってもらう約束をしたので、宮之浦の港で再び、会う約束をした。
 おっちゃんの家を出て、1時間もかからない家に宮之浦の港に着いた。鹿児 島行きフェリーの切符とお土産を買ったあと、おっちゃんと会い、近くのレス トランでカレーをご馳走してもらった。
 昼食後、私はフェリーに乗り込み、船の上からおっちゃんを見送った。おっ ちゃんとの別れを惜しみながら、フェリーは港を出た。微かに、おっちゃんが 泣いているように見えた。
 鹿児島に着いてからは、私は、一路、北にある鹿児島空港に向かった。そう、 目指すは、沖縄。
 鹿児島空港は、鹿児島市からかなり離れたところにあり、この日の那覇行き の飛行機は諦め、次の日の便で、沖縄に向かうことにした。
 加治木のまちの公園でこの日は泊まった。

●42日目 9/4(金)、晴れ、走行距離106.7km
 一湊→永田→大川の滝→平内→尾之間→安房→宮之浦→一湊
●43日目 9/5(土)、晴れのち曇り、走行距離39.3km
 一湊→宮之浦~鹿児島(鹿児島県)→加治木(鹿児島県)
  ⇒ここまでの走行距離3879.4km


<第18回へつづく・・・>

クリックすると拡大地図が出ます

9/4~9/5のルート地図(クリックすると拡大された地図が出ます)


平内の海中温泉(鹿児島県屋久町平内、1998年9月4日) お世話になったおっちゃんと(鹿児島県上屋久町一湊、1998年9月5日)

平内の海中温泉<左>とお世話になったおっちゃんと<右>(平内、一湊)

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