その4 「ワークショップ」の流れをデザインする
前回に引き続き「ワークショップ」の進行についてご紹介します。今回は、実際の「ワークショップ」の流れを時間の経過を軸にご紹介します。
まず、「ワークショップ」の流れを「つかみ」、「本体」、「まとめ」という3つ括りでご紹介します。
まず、「つかみ」ですが、これは本題(「ワークショップ」のねらいとなる作業や学習など)に入る前に参加者の「学びの準備」を促すものです。
参加者が集まり「ワークショップ」が始まりますが、まず、「ワークショップ」の基本的なルールや簡単な流れを参加された方に紹介することが必要です。例えば、主催者の挨拶、施設の説明、一方的な講義ではないことを伝えたり休憩や終わりの時間についてインフォメーションすることなどです。
続いて、何のために「ワークショップ」を開いたのか参加者に説明することも大切です。これは、何のために「ワークショップ」を開いているのか参加者(主催者も)に意識してもらい、流れが「ワークショップ」自体のねらいから外れないようにするためです。ただ、主催者側の個人的な思いを参加者に押し付けないように。
「ワークショップ」自体のねらいが参加者と共有できたところで、今度は、参加者の緊張をほぐしてあげましょう。組織やグループ内の「ワークショップ」の場合では、参加者全員顔見知りということもありますが、それ以外の場合は、参加者全員が顔見知りということは滅多にないので、緊張をほぐすために自己紹介などをします。しかし、単に「○○です。よろしくお願いします。」というだけでは、緊張がとけにくく、面白みがありません。ここは、もう少しゲーム要素を取り入れてもいいでしょう。例えば、A4ぐらいの紙に4つスペースを作り、「名前と所属」、「出身・どこから来たのか」、「ニックネームと由来」、「ワークショップに期待すること(持ち帰りたいこと)」などを紙に書いてもらい、それぞれペアーを作り、お互いに2,3分で自己紹介をしてもらう。これをペアーをかえ、数回やれば場の雰囲気が少しは和むことでしょう。このように、参加者(もしくは主催者なども含め)の緊張をほぐすことを「アイスブレーク」、「アイスブレーキング」などと言われています(「アイスブレーク」については、今後このコーナーで詳しくご紹介する予定です)。
「つかみ」の次は「本体」に入りますが、「本体」は、数分から数時間程度の活動(「アクティビティ」、「ワーク」、「エクササイズ」などと言われる)を通して、参加者を「ワークショップ」自体のねらいに近づけます。ある意味、この「本体」の部分は、「何でもできる」時間なのかもしれません。何かものを作ってもらったり、話あってもらったり、自然の中で何かを感じてもらったり、室内で体を使ったゲームをしたりとそれぞれです。ただ、あくまでも「参加者主体」であることを忘れてはいけません。
また、「やりっぱなし」ではなく、活動後は補足の講義や活動内容や過程の「ふりかえり」や参加者同士が感じたことや感想を話あう「わかちあい」などを行うことをお勧めします。これらによってやった活動が何倍にも価値を持つものになる可能性があります。これらの活動をいくつも(1つの場合もありますが)繰り返すことで、参加者の学びが深まり、「ワークショップ」のねらいに近づいていきます。
最後に、「本体」の後には、「まとめ」があります。「まとめ」は、「ワークショップ」全体の「まとめ」であって、前記の「本体」の個々の活動のまとめとは少し異なります。内容としては、前記の「ふりかえり」や「わかちあい」を「ワークショップ」全体を通して行い、参加者が「何を学んだのか」、「何を持ち帰りたいのか」など「ワークショップ」で得た成果を確認してもらいます。成果の確認をすることで、「ワークショップ」の後の生活の中ですべきことなどが意識されます。「ふりかえり」や「わかちあい」の方法はさまざまで、意見を述べてもらう方法やあらかじめ用意したシートに書いてもらう方法などがありますが、「わかちあい」は可能な限り参加者全員の感想や感じたことなどを拾ってあげると「ワークショップ」の多様性(感じ方は人それぞれということなど)がわかります。
参加者の「ふりかえり」や「わかちあい」のほかにも、「ワークショップ」自体の「評価」をこの場ですると主催者側にも次につながる成果が得られます。簡単なアンケートならきっと参加者も協力してくれずはずです。
次回は、「ワークショップ」を円滑に進めて行く「学びの促進者=ファシリテーター」の役割についてご紹介します。お楽しみに。
まず、「ワークショップ」の流れを「つかみ」、「本体」、「まとめ」という3つ括りでご紹介します。
まず、「つかみ」ですが、これは本題(「ワークショップ」のねらいとなる作業や学習など)に入る前に参加者の「学びの準備」を促すものです。
参加者が集まり「ワークショップ」が始まりますが、まず、「ワークショップ」の基本的なルールや簡単な流れを参加された方に紹介することが必要です。例えば、主催者の挨拶、施設の説明、一方的な講義ではないことを伝えたり休憩や終わりの時間についてインフォメーションすることなどです。
続いて、何のために「ワークショップ」を開いたのか参加者に説明することも大切です。これは、何のために「ワークショップ」を開いているのか参加者(主催者も)に意識してもらい、流れが「ワークショップ」自体のねらいから外れないようにするためです。ただ、主催者側の個人的な思いを参加者に押し付けないように。
「ワークショップ」自体のねらいが参加者と共有できたところで、今度は、参加者の緊張をほぐしてあげましょう。組織やグループ内の「ワークショップ」の場合では、参加者全員顔見知りということもありますが、それ以外の場合は、参加者全員が顔見知りということは滅多にないので、緊張をほぐすために自己紹介などをします。しかし、単に「○○です。よろしくお願いします。」というだけでは、緊張がとけにくく、面白みがありません。ここは、もう少しゲーム要素を取り入れてもいいでしょう。例えば、A4ぐらいの紙に4つスペースを作り、「名前と所属」、「出身・どこから来たのか」、「ニックネームと由来」、「ワークショップに期待すること(持ち帰りたいこと)」などを紙に書いてもらい、それぞれペアーを作り、お互いに2,3分で自己紹介をしてもらう。これをペアーをかえ、数回やれば場の雰囲気が少しは和むことでしょう。このように、参加者(もしくは主催者なども含め)の緊張をほぐすことを「アイスブレーク」、「アイスブレーキング」などと言われています(「アイスブレーク」については、今後このコーナーで詳しくご紹介する予定です)。
「つかみ」の次は「本体」に入りますが、「本体」は、数分から数時間程度の活動(「アクティビティ」、「ワーク」、「エクササイズ」などと言われる)を通して、参加者を「ワークショップ」自体のねらいに近づけます。ある意味、この「本体」の部分は、「何でもできる」時間なのかもしれません。何かものを作ってもらったり、話あってもらったり、自然の中で何かを感じてもらったり、室内で体を使ったゲームをしたりとそれぞれです。ただ、あくまでも「参加者主体」であることを忘れてはいけません。
また、「やりっぱなし」ではなく、活動後は補足の講義や活動内容や過程の「ふりかえり」や参加者同士が感じたことや感想を話あう「わかちあい」などを行うことをお勧めします。これらによってやった活動が何倍にも価値を持つものになる可能性があります。これらの活動をいくつも(1つの場合もありますが)繰り返すことで、参加者の学びが深まり、「ワークショップ」のねらいに近づいていきます。
最後に、「本体」の後には、「まとめ」があります。「まとめ」は、「ワークショップ」全体の「まとめ」であって、前記の「本体」の個々の活動のまとめとは少し異なります。内容としては、前記の「ふりかえり」や「わかちあい」を「ワークショップ」全体を通して行い、参加者が「何を学んだのか」、「何を持ち帰りたいのか」など「ワークショップ」で得た成果を確認してもらいます。成果の確認をすることで、「ワークショップ」の後の生活の中ですべきことなどが意識されます。「ふりかえり」や「わかちあい」の方法はさまざまで、意見を述べてもらう方法やあらかじめ用意したシートに書いてもらう方法などがありますが、「わかちあい」は可能な限り参加者全員の感想や感じたことなどを拾ってあげると「ワークショップ」の多様性(感じ方は人それぞれということなど)がわかります。
参加者の「ふりかえり」や「わかちあい」のほかにも、「ワークショップ」自体の「評価」をこの場ですると主催者側にも次につながる成果が得られます。簡単なアンケートならきっと参加者も協力してくれずはずです。
次回は、「ワークショップ」を円滑に進めて行く「学びの促進者=ファシリテーター」の役割についてご紹介します。お楽しみに。
「ワークショップ」の流れの一例
(出典:『森林環境教育プログラム事例集 ふれあい・まなび・つくる』)