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第7回 遥かなる大地と大空と <登別~美瑛>

 昨晩から降っていた雨も朝には晴れて、この日の朝、虎杖浜を7時に出た。
 虎杖浜から苫小牧までは平らな道が続いた。しかし、北海道の寒さか、それ ともこの日の朝に飲んだ牛乳があたったのか苫小牧で腹痛に見舞われた。近く のコンビニでトイレを借り休憩をしたらだいぶよくなり、再び走り始めた。苫 小牧からは、国道235号線に乗り換え、さらに東へ進んだ。

   鵡川を過ぎたあたりから少し丘が続き、やたらと馬の牧場が目に付くように なった。どこを見ても牧場、牧場・・・。馬も私を見て、かなりチャリが珍し いのか必ずこっちを向いてくれる。途中、競馬場もあったがあいにくこの日は やっていなかった。
 富川で、国道235号線を左に折れ、日高に向かう国道237号線へ。富川のスー パーで、久しぶりに自炊をしようと食材を買出したが、近くに水が出る公園が なかったため、10kmほど走り、水がありそうな小学校でカツ丼を作った。校庭 では、おじいちゃん、おばあちゃんがゲートボールをしていたが構わず、米を 炊き、カツをたまねぎや卵などでとじた。しかし、米の炊き方が失敗し、ご飯 が固かった。おかげで、消化不良で朝の腹痛がぶりかえした。

 腹痛をおして、この日の目的地の日高に向かった。だらだらとした登りだが、 雨が降り始め、寒い。
 夕方6時前にようやく日高に着いた。とにかくお風呂に入り、宿を道の駅と することにした。道の駅の横の銀行にテントを張ろうとした時、そこには先客 がすでにテントを張っていた。話すと、どうやら長崎大学のサイクリング部の 人で、九州から北海道へ来たようで、明日は十勝に向かうそうだ。自転車を見 るとさすがサイクリング部、チャリの装備が軽い。30kgの私の装備とは明らか に違う。彼も疲れているようだったので、この日は話はそこそこで早めに寝た。

 翌朝、起きてみると雲一つない青く澄んだ空が広がっていた。これまで一番 の快晴だった。
 朝食は、タマゴサンド。と言っても卵を茹で、マヨネーズ、塩、こしょうを あえ食パンに挟むだけ。長崎大の彼も起きて、自炊するとはすごいと言われた が、自炊は確かに面倒くさい。でも結構、料理を作るのは嫌いではないし、作 り方によっては安上がりだ。
 長崎大の彼は、7時半ごろ出発したが、私は少し遅れて8時ごろ道の駅を出た。

 日高から富良野までの道のりは結構きつかった。峠道なので200mは登った。 しかし、富良野までは、50、60kmだったので、風景を眺めながらゆっくり走っ た。  日高峠と金山峠を越え、南富良野に入ったところで、メロンを売っている農 家があった。休憩がてら寄ってみると、農家のおばちゃんが売り物のスイカや モロコシをくれた。おばちゃんと話をすると、北海道のメロンと言えば夕張メ ロンだが、富良野のメロンの方が実はおいしくて、そんなに高くないと話して くれた。おばちゃんに富良野のメロン(本当にうまかった)もご馳走になり、 12時ごろ再び走り始めた。

 1時間ほどで富良野の街中に着く。街中はかなり観光地化していた。昼飯に、 朝の玉子サンドの残りとおばちゃんにもらったモロコシを食べ、街中を観光し た。吉本良二さんの写真館やチーズ工房に寄り、富良野の名産ラベンダーを見 ようとファーム富田に向かった。しかし、ラベンダーはもう遅かったようで、 あまり咲いていなかった。代わってヒマワリが元気良く咲いているのを見て、 北海道も今が夏真っ盛りなんだと感じた。名物ラベンダーソフトクリーム(な んかサイダーっぽい味だった)を食べ、ラベンダーの香りで心を落ち着かせた。

 宿は中富良野駅近くの森林公園のキャンプ場にすることにした。キャンプ場 はすでに、ライダーの人たちでいっぱいだった。夕食はカレー。もちろん自炊。 前日、米の炊き方がうまくいかなかったので、今回は火力を弱めて炊いたらう まくいった。カレーもいままでで一番のできばえ。しかし、北海道の夜は寒い。

 次の日の朝、あまりの寒さのため何度か目が覚めたが、すっきり起きられず ウトウトと8時ぐらいまで寝ていた。寒いのは当たり前の話で防寒になる服も あまりなく、寝袋もかなり薄いものだから仕方がない。

 昨日の残りのカレーをチルドパックに入れ、温めて朝食にしようとした。け どうまくいかず、温まっていないカレーをしかたなく食べた。あまりゆっくり してはもったいないと思いテントをたたみ始めた時、隣のテントサイトの人 (ライダーで一見一昔のヤンキーっぽい感じの人)が「どっから来たのですか? 」と声を掛けてきた。話せば、仕事(建築関係)が半分クビ状態で、熱いから 北海道に来たとのこと。大阪から来たが、旅の予定を決めずに来たのようで、 お勧めの場所を尋ねられた。私がこの日の目的地としていた美瑛を勧めた。そ うすると彼も行くと言ってくれた。どうやら私が行き先を決めてしまったよう だ。

 ライダーの彼が出発したのを追うように、10時ごろキャンプ場を出た。富良 野のまちをゆっくり別れを惜しみながら、深山峠へ。その峠から美瑛の丘を見 渡せるとの話を聴いていたので、峠に着いてまず写真を撮ることにした。カメ ラを構えていたら、自転車に乗っていた女性から声をかけられた。話すと彼女 は公務員で、強引に休みを取り、北海道に来たそうだ。北海道は2回目で今回 はゆっくり自転車で回っているとのこと。彼女に昼食を誘われ、峠の「ウッテ ィーライフ」というカレー屋(でもあり宿屋でもあった)に入った。入ってみ るとログハウスで雰囲気がいい。黒カレーがお勧めとのことで早速頼んだ。カ レーの色は、本当に黒で、ウインナーが2つ付いていた。具は、溶けて汁状に なっていた。食べるとコクがあり上品な味だった。食べ終わる前に、この店の ご主人が話をしてくれた。なんでも、この店は雑誌などで載っているほどの有 名店で、宿には主人が面接をして合格した人しか泊めないというこだわりを持 っていた。

 店を出たあとは、自転車の彼女とも別れ、美瑛の丘めぐりに走った。丘を眺 めながら、まずは美馬牛小学校へ。とんがり屋根の洋風の建物で、小学校と言 う感じがしない。写真をしっかり撮り、次は拓真館に向かった。拓真館は、写 真家の前田真三さんの個人ギャラリーで、彼の写真が多く展示されている。彼 は美瑛の丘の写真を多く残しているので、これから美瑛の丘の写真を撮ろうと している私には大変良い見本となった。

 手本を見た後は実演ということで、早速、丘に向かった。まず、拓真館から 見える赤い屋根の小屋のそばまで行くことにした。このあたりは、砂利道で観 光客がまったくいない絶好のポイントだった。絶好のポイントで写真を撮り、 自分の目にも丘の色を焼き付けた。
 後は、雑誌を頼りに有名な丘に向かった。新栄の丘は、観光客が多くいい感 じがしなかったが、三愛の丘の方では、人があまりいなかったので眺めが良か った。マイルドセブンの丘は、一面の芝生でしばらく寝転がり、気持ちが良か った。北西の丘、ケンとメリーのポプラの日が落ちる前に着いた。夕日と丘の コントラストが妙に北海道の広さを感じさせてくれた。写真を撮るのもしばし 忘れ日が落ちるのを眺めていた。

 この日は、かしわ園というキャンプ場でテントを張った。

●14日目 8/7(金)、くもりのち雨、走行距離153.8km
 虎杖浜(北海道)→苫小牧(北海道)→富川(北海道)→日高(北海道)
●15日目 8/8(土)、晴れ時々くもり、走行距離86.7km
 日高(北海道)→占冠(北海道)→富良野(北海道)→中富良野(北海道)
●16日目 8/9(日)、晴れ時々くもり、走行距離53.1km
 中富良野(北海道)→上富良野(北海道)→美瑛(北海道)
  ⇒ここまでの走行距離1343.4km

<第8回へつづく・・・>

クリックすると拡大地図が出ます

8/7~8/9のルート地図(クリックすると拡大された地図が出ます)

ラベンダー畑から十勝岳を望む(北海道中富良野、1998年8月8日) 美瑛の丘にて(北海道美瑛、1998年8月9日)

ラベンダー畑からの十勝岳<左>、美瑛の丘<右>(北海道中富良野町、美瑛町)

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