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「夢」と「天職」

 みなさんは、子どもの頃どんな夢を持っていましたか?

 私は小さい頃、親の影響もあり、自然が好きでした。小学生の頃は、特に星が好きで、夢中で星座を覚え、友達と横浜・桜木町にあった神奈川県立青少年センターのプラネタリウム(現在は、閉館しまったようだ)に足繁く通ったものだった。この頃の夢はもちろん、天文学者であった。
 その後、成長と共に、夢は自然からどんどん離れ、この頃おりしもテレビゲームブーム。そんな影響から、ゲームプログラマーになりたいと思い始め、自作のゲームのシナリオや絵コンテを書いていた。ゲームのシナリオを書いていくうちに、小説家になろうと路線変更することもあった。
 高校生になるともっと現実的になり、人に関わる仕事に就きたく、学校の先生を目指しとりあえず勉強したが、最終的に進んだ大学の専攻はなぜか経済学部・・・。
 大学では、一般企業のサラリーマンでもいいと思ったが、通学の満員電車でサラリーマンに嫌気がさし、一時期、現実離れした内閣総理大臣やチャリの旅の経験から冒険家になろうかと真剣に考えたこともあった。
 しかし、やはり人を育てる仕事に就きたいと考え、3年ごろから専攻外の教育学や児童心理学などを猛勉強し、教員採用試験を受けた。だが、現実は厳しく1次(筆記)試験であっけなく落ちた。その後、青年海外協力隊で環境ボランティアをしようと考えたものの語学力に自信がない上、海外から戻った時には、仕事を探さなければいけないことから協力隊の応募を諦め、結局、一般企業の就職活動を行った。
 就職活動の面接では、自己アピールでチャリの旅のことを話したが、異口同音のように「それはすばらしい。けど、あなたには私たちの会社ではなく、他の場所があるのでは・・・」との返事が返ってきた。「やはり、自分は企業にいる人間ではない!」。そんな気持ちから、一般企業への就職も諦めた。そこで、もう一度原点に立ち返り、子どもの頃から好きな自然や環境に関わる仕事で、YMCAのボランティア経験を生かすべくNPO/NGOの団体に資料請求を出し、手探り状態でNPO/NGOへの就職活動をした。そんな中、日本環境教育フォーラム(実は、こちらさんにも資料請求をだしていたのだが、職員採用はないと言われ、代わりに会員にならないかと勧められ会員になっていた)の会報の中に「インタープリター募集」のチラシが入っていたので、「インタープリター」という職業をあまりよく知らなかったが、自然の中で仕事ができ、子どもの教育に携わるNPOということで、「NPO法人メタセコイアの森の仲間たち」への職員応募をした。
 ダメ元で応募したら、見事採用されてしまい、岐阜の地で「インタープリター」の卵として職に就いた。「インタープリター」という職業も特殊だが、NPOで働くというのも学生の頃には、想像だにできなかった。人生は、どうなるか分からないものだ。
 岐阜では、契約が半年であったので、再び横浜に戻った。「さあー、どうしようか?」と思っていた矢先、岐阜でたまたま縁があり、仕事を一緒にした今のNPO「かながわ環境教育研究会」の代表から仕事をしないかと誘われ、現在に至った。

 自分の「天職」とは何かまだはっきり分からないが、「天職」に近づいている事は間違いないと確信している。少なくとも、一般企業のサラリーマンでなくてよかったと感じている。それは、「誰の、何のために働くのか」というミッションが企業とNPOでは少し違うからだ。「世の中を少しでも良くして、自分のために働く」。そんな仕事こそが自分の天職だと最近感じている。

 みなさんは、いま就いている職を自分の「天職」だと言えますか?
もし言えなければ、もう一度「誰の、何のために働くのか」を考えてみませんか?

※この書き込みは、2003年10月1日にされたものを再アップしています。

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