ICTとmixi
最近、「IT(情報技術)」の代わりに、「ICT」という言葉を良く聞きます。
「ICT」とは、「情報通信技術」という意味を持つ、Information & Communications Technologyの略で、国際的には、ヨーロッパや中南米、アジアでは「IT」よりも使われている言葉らしい。つまり、「IT」を「人と人」のコミュニケーション、さらに、「人とモノ」、「モノとモノ」のコミュニケーションを可能にしようというもの。
いつでも、だれでも、どこでも情報が得られ発信できる社会=「ユビキタス」社会が、もうそこまで来ている気がします。
しかしながら、「ICT」は、人と人の生の(アナログ的な)コミュニケーションは、越えられない気がします。
mixiも、基本的には、人と人の生のコミュニケーション(お互いの人間関係)があって、活かされる仕組み(や場)だと思います。
mixiで自分も「トラベル・プランナー」というコミュニティを管理していますが、いまいち参加者からの書き込みがなく、盛り上がらないのは、ここらへんにヒントがある気がしてなりません。
やっぱり、生の人間関係がないところで、関係性を作ろうというのはかなり敷居が高いのでしょう。
4年ほど前から2年間、神奈川県の大和市で、当時の国の「IT」政策と言うべき「e-Japan政策」(現在は「u-Japna政策」になっています)の1つの事例に関っていました。
それは、大和市民にICカード(のちにICカードが使われた住基カードのモデル)を行政が配り、そのICカードに「地域通貨」の機能をのせてしまおうという、やや無謀なプロジェクトでした。
当時、私は「地域通貨」運営のNPOの事務局として関り、「IT」の申し子のICカードとコミュニケーションツールとしての「地域通貨」をどう使うか、行政と住民、商店街(地元企業)の方々と悩みながら、活動をしてきました。
しかし、結果は、はっきり言って失敗でした。原因は、ICカード端末が使いづらいなどのハード的な問題や行政主導であったことが大きかったのですが、コミュニケーションツールとしてITを使うことが、時期的にまだ早かったようです。
生のコミュニケーションは、やっぱり何者にも代えられませんね。