小笠原インタビュー その1
今日の夕方、通う大学院の岡本先生にインタビューしてきました。 尋ねたことは、小笠原のエコツーリズムのことが中心でしたが、先生からいただいた資料をもとに、質問を考えました。
岡本先生は、「小笠原諸島振興開発審議会」の会長で、国に物言う立場で会議をまとめていらっしゃいます。
インタビューの論点は、小笠原への交通アクセスの問題、世界遺産登録に向けた環境整備、島内観光(ハード・ソフト)の整備、医療問題などでした。
岡本先生もすでに何度か小笠原に行かれているようで、島でのアクティビティの話で盛り上がりました。先生はやっぱり海が好きなことが分かりました。
さらに、この秋にも現地調査に行かれるようですが、自衛隊の飛行機で硫黄島経由で行くそうです。
さて、インタビューの内容ですが、いままだ録音をおこして聞きなおしている段階ですが、メモの概要をお伝えします。以下、私の質問と先生の答えです。とりあえず、ここまでのご報告です。
1.TSLに代わる島にとって一番良い交通手段は?(水上飛行艇?飛行機?船便の増便?)
→コミュター(小型飛行機)を飛ばす案が一番。父島の扇浦に飛行場を作るのが一番環境負荷が少ない。水上飛行艇はコストの面・安全面で劣る。
2.小笠原の観光資源の強み(各種ツアー・南国農産物・戦跡)をどう活かすかべきか?
→自然環境(特に海)を生かした島固有の活動(マリンスポーツ)などが一番の強み。エコツーリズムやインタープリターの存在も大きい。また、温泉がないので、海水を温めるタラソテラピーをやってみてもいい。
3.観光客のターゲットと観光スタイルをどう変えるべきか?島のドメインは?(長期滞在型、中高齢者、修学旅行、体験学習、リゾート、文化交流)
→団体の受け容れは難しく、FITねらいがよい。時間的に余裕のある中高年をターゲットに、釣りやイルカ・鯨を見るツアーなどのソフトアドベンチャーが一番いい。
4.世界遺産登録されると島にとってのメリット・デメリットは?
→世界遺産登録を目標にして、島民の意識や様々な自然保護(野ヤギ対策など)の活動が活発にあることは、いいことにつながる。ただ、島民の生活に規制がかかるのは事実。
5.観光客増加に伴う島の生活・観光インフラ(ゴミ処理、食料、水道、宿泊施設など)は対応できているか?
→ゴミ対策など生活インフラは、ほぼ十分対応できている。宿泊や食料の問題もあるが、劇的に観光者が増えるわけではないので、対応はできている。ただ、情報通信インフラの遅れがある。
6.島のツアー業者と旅行業者との関係は?(特定第3種旅行業の活用?)
→地元観光産業(各種ツアー会社)と役所産業(研究所なども)が島の生活を支える産業となる。両者をうまく組み合わせる手もある。ネットを活かしFITに特化するとか大手の旅行会社と組むとかも考えられる。
7.島の高齢化問題・医療問題について
→1.と同様にコミューターを飛ばせば、緊急でもある程度対応できる。
8.その他
→オーストラリアなどで行われているエコツーリズムのモデルが参考になる。ルール作りとかインタープリター、システム、観光者数のチェックなどで先駆を行っている。小笠原では海のインタープリターなどの人材教育はできている。さらに陸地のインタープリターの育成が必要。