その1 「ワークショップ」って何?
最近は、いろいろなところで耳にする機会が増えたので、「ワークショップ」に参加したことがあるとか、または中には、仕事で「ワークショップ」をやったことがあるという方もいらっしゃると思います。
連載第1回目の今回は、「この『ワークショップ』っていったい何?」というのを私が普段感じている視点からご紹介したいと思います。
さて、この「ワークショップ」を私は数年前までは、土建屋さん関係のお店、いわゆる「ホームセンター」のことだと思っていました。これが、そうじゃないんですね~。
「ワークショップ」を一言で言うと「工房」とか「参加者主体の学びの場」といった感じにまります。つまり、大人数でマニュアルにしたがってモノ作りをしたり、誰かが一方的に講義をしたりするのではなく、参加するみんなでモノ(成果)を協力して作りあげようという場(機会や手段)が「ワークショップ」なのです。
そもそも、「工房」ということから分かるように技術職・モノ作りの世界では、一つの作品を作るとき何人もの職人が自分の持つ技術や才能を生かし、手をかけてよい作品を仕上げていくものが少なくありません。こういう作品は、大工場で大量生産されたモノとは違う味が出てきます。
また、一方的に講義を受けて聞いているだけでは、話をしている人の意見や考え方が中心となり、話を聞いている人の意見や考え方がその場にいる人同士に共有されることはなく、話を聞いている周りの人はどう考えているのかよく分からず、話をする人と話を聞く自分の関係でしかありません。議題に関して自分の意見を言い、ほかの人の意見も聞き、みんなで議題を話し会う方が、自分と周りの人の関係が作れて楽しいということがあります。
そこで、「ワークショップ」というものを注目されたのかも知れません。今の世の中、大量生産では本当のいいものは生まれず、また、一方的な講義では、つまらないもので、話す人の意見は聞けても、その場にいる人全員が意見を出し合い、納得できる楽しい話し合いにすることは望めません。何か自分の持っている技術・才能や意見や生かし、作品を作ることや議題を解決することが今の世の中、「ほんまもん」で「楽しい」ことかもしれません。
さて、「ワークショップ」がどういった場面や分野で使われているのかは、次回にご紹介したいと思います。